概要/郵送による投票/投票センター/投票テクノロジー/財政的影響

概要

上院法案450は、「カリフォルニア州有権者による選択法(VCA)」としても知られていますが、 2016年9月29日に法制化され、サンマテオを含む14郡において、2018年よりすべての選挙を全郵送・投票センター選挙として実施することを許可するものです。この法律は、有権者参加の増大、有権者関与の増加、および投票方法の選択肢の拡大を意図する広範な選挙制度改革の一部を占めており、サンマテオ郡および参加管轄区域における選挙の実施方法を根本から変えるものとなります。

サンマテオ郡は、カリフォルニア州において「全郵送投票選挙」実施の最前線にあり、郡内の登録有権者の67%以上が永続的に郵送投票を行うことを選択しています。州議会下院法案2028の権限に基づいて実施された2015年11月3日の全郵送投票選挙で、サンマテオ郡は成功を収めており、VCAの可決はこの影響を受けています。州議会および州務長官に宛てたAB報告書に記載の推奨事項および方法の多くがVCAに導入されました。

サンマテオ郡の選挙主任担当官は、VCA下での選挙管理について新法に基づく選挙管理計画(EAP)草案を作成することが義務付けられています。このAEP草案は、コミュ二ティのパートナーおよび利害関係者との協議から生まれた共同努力の結果であり、2017年10月12日と2017年10月16日に開催された言語コミュティおよび障害者コミュニティとの公聴会でいただいた多くの推奨事項が組み込まれています。

2018年1月18日(木)には再びVCA公聴会が開催されることになっており、皆様にはぜひ参加していただき、EAP草案に対してさらなるご意見をご提供いただきたいと考えております。この公聴会は管理委員会室(Chambers of the Board of Supervisors)(住所:400 County Center, Redwood City)で行われます。公聴会および14日間の公衆意見聴取期間の終結をもって、サンマテオ郡の最終EAP が正式に採択され、州務長官に提出されて承認を受けることになります。

VCA選挙モデルを絶えず向上させるために、選挙主任担当官は最初の選挙から2年以内、その後は4年ごとに、EAPの改正を検討するための追加の公聴会を開催することが義務付けられています。

サンマテオ郡のEAP草案は、VCAの実施に関するさまざまな貴重な情報を市民の皆様に提供します。このEAP草案は、郵送による投票プロセス、提案されている郡の投票センターの場所および投票用紙投函場所、利用される選挙テクノロジー、郡の有権者教育およびアウトリーチ計画の説明の概要を提供するものとなります。

郵送による投票

VCAモデルに基づき、郵便料金支払い済みの返信用封筒と共に、投票用紙が選挙の29日前までに登録有権者全員に発送されます。有権者は英語以外の言語による郵送による投票を請求することができます。障害を持つ有権者、海外の有権者、軍人、および軍人の配偶者は、サンマテオ郡の「遠隔アクセス可能な郵送による投票システム(Remote Accessible Vote by Mail System)」を利用することができます。これは有資格の有権者が個人のコンピューター画面で読める形式の投票用紙にアクセスして記入することを可能にするシステムです。

投票センターと投票用紙投函の場所

VCAは、サンマテオ郡全域における投票センターと投票用紙投函の場所に関して詳細な基準および方式を確立しました。この法律は、投票センターと投票用紙投函の場所が障害を持つ有権者にとって利用可能であること、人口が密集する地域、公共交通機関の近くに位置すること、低所得者および言語的少数派のコミュニティの付近に位置することを義務付けています。

投票センターと投票用紙投函の場所は、サンマテオ郡投票アクセシビリティ諮問委員会表(VAAC)と言語アクセシビリティ諮問委員会(LAAC)との協議によって選択されました。それぞれの場所が有権者にとって最適な近さに位置することを確保するために、地理情報システム(GIS)の地図ソフトウェアも活用されました。

投票センター: 投票センターは投票所と同様に運営され、有権者は投票用紙を使って、またはeSlate(電子投票端末)で、もしくは障害者がアクセス可能な装置で、投票できるようになっています。 しかしながら、投票所とは違って、有権者は郡内のどの投票センターでも投票することができます。また、有権者はいずれの投票センターにおいても、有権者登録を行ったり、登録情報を更新することができます。有権者登録期間終了前に登録を済ませていない有権者は、いずれかの投票センターにおいて 「条件付き有権者登録」(CVR)を行って、選挙日まで暫定票投票をすることができます。

投票センターでは、サンマテオ郡の選挙管理システム(EMS)に確実にアクセスできるため、投票センターのスタッフは各有権者の投票状況をリアルタイムで確認することが可能になります。

投票センターは、障害者がアクセス可能な装置3台を含む最大10台のeSlate 電子投票機器を備えています。すべての投票センターは、 ADA(米国障害者法)に従っており、選挙要員が待機して有権者のそれぞれのニーズを支援します。

投票の混乱を予防し、選挙が適切に行われるようにするために警備および緊急時対応計画が実施されます。また、投票センターの閉鎖中は、開封明示シールや安全な保管設備など、実証済みのセキュリティプロトコルによってセンターの施設および機器を厳重に保管します。

投票センター内配置図例が補遺に掲載されています。

投票センター運営方式: 投票センターは順次オープンし、選挙日が近づくにつれてセンター数が増加します。サンマテオ郡では、引き続いて選挙の29日前にサウスサンフランシスコ、サンマテオ、レッドウッドシティの3カ所の投票センターのオープンを実施します。選挙の10日前にさらに投票センターがオープンし、選挙の3日前からすべての投票センターが完全にオープンします。

VCAでは、郡全体における投票センターの場所を決定するにあたり、次の方式を確立しました。これらの数値は、2018年6月の選挙に関して登録有権者を39万人とする予測に基づいています:

選挙前日数 投票センターごとの登録有権者 一般市民が利用可能な投票センター
10 50,000 8
3 10,000 39

すべての投票センターは、選挙の10日前より週末と祝祭日を含めて、少なくとも1日8時間オープンし、選挙の日には午前7時から午後8時までオープンします。

各投票センターには5名以上のスタッフが配置されます。サンマテオ郡では各投票センターに、スペイン語を話す選挙スタッフと中国語を話す選挙スタッフを少なくとも一人ずつ採用することに尽力します。

投票用紙投函ボックス: サンマテオ郡の登録有権者15,000名ごとに少なくとも投票用紙投函ボックスを1個用意することが義務付けられており、2018年6月5日の選挙用に向けて合計26の投票用紙投函ボックスの設置が予測されています。これらの投票用紙投函ボックスは、選挙日の28日前までに利用可能となり、通常の業務時間中オープンします。登録・選挙部門(住所:40 Tower Road, San Mateo)の外、およびこれから決定される追加の3ヵ所の場所に配置される投票用紙投函ボックスは、1日24時間オープンします。

サンマテオ郡内の20の市と支庁舎(タウンホール)のそれぞれには鍵のかかった投票箱が設置され、通常の業務時間中に投票用紙を投函することができます。また、有権者は投票用紙を投票センター、郵便局、あるいは郵便局の郵便受け箱に投函することも可能です。

提案されている投票センターおよび投票用紙投函の場所のリスト、投票センターと投票用紙の投函場所の地図は、補遺に掲載されています。

投票テクノロジー

サンマテオ郡では、2018年6月5日の選挙期間中、既存のハートインターシヴィック電子登用システム(Hart InterCivic Electronic Voting System)およびeSlate投票システムを導入します。各投票センターでは、信頼できる接続によってパーソナルコンピューターのネットワークが郡の電子管理システム(EMS)につながります。郡のEMSは、カリフォルニア州のVoteCalによって管理されている有権者登録データベースに接続します。これによって、有権者登録データベースへのアクセスが提供され、投票センターのスタッフは各有権者の登録および有権者の状況をリアルタイムで判断することができるようになります。このシステムは2015年11月3日の全郵送投票選挙で使われ、成功を収めました。

オンデマンド投票用紙印刷プリンターが郡選挙では初めて使用され、有権者に自分たちの選曲に使用される特定の様式の投票用紙が提供されます。さらに、オンデマンド投票用紙印刷プリンターは面倒な投票用紙様式の対応に必要な予備の投票用紙の購入や印刷を最小化します。

「投票しました」デジタルスティッカー

選挙日に投票を済ませた有権者に最も人気のあるのは、有権者が選挙に参加したことを誇らしげに認める「投票しました」スティッカーです。「投票しました」スティッカーの人気があまりにも高いため、郵送による投票(VBM)を永続的に行うことを選択した郡有権者の多くは、スティッカーを手にいれるためだけに、投票所に出向いて投票用紙を投函しています。

「投票しました」スティッカーの人気を考慮して、サンマテオ郡では有権者のソーシャルメディアのページにコピーして貼り付けられ、オンラインのデジタル署名に含めることのできる、デジタルの「投票しました」スティッカーの開発を予定しています。これによって、有権者は選挙で投票したことを自慢げに世間に知らせることができます。「投票しました」デジタルスティッカーは、これまでの選挙で有権者が投票した年数を識別するものともなり、これまでの選挙で投票した連続年数を示す独自のバナーが作成されます。これは、有権者が民主的プロセスに参加した年数を堂々と特徴付けるものです。

「投票しました」デジタルスティッカーは「私の登録を確認/私の選挙資料にアクセス/私の有権者情報パンフレットを表示/私の投票用紙を追跡」リンク(www.smcacre.org)からアクセスすることができます。

財政的影響

VCAおよび関連の指令の財政的影響 は現在の時点では不明です。

2018年6月5日州直接予備選挙は、新たな全郵送/投票センターモデルとしても、2018年6月の選挙で完全導入される新規の選挙法としても、今までに類を見ないものです。重要な州知事予備選と同時に生まれるこれら新法の複合効果は、州全域の郡の選挙費用を増加させる可能性があります。プラスの点としては、VCAのおかげで時間が経つにつれて 、これら新しい法規制任務に関連する追加費用の多くが軽減するはずです。

選挙費用に影響を与える主な懸念の一つは、上院法案415(SB 415)カリフォルニア州有権者参加権法の施行です。SB 415によって、奇数年選挙を行う管轄地域が2020年までに偶数年選挙に移行します。これによって、2018年11月の選挙に加わる管轄地域の数が大幅に増加することになります。この変化から偶数年には選挙の数がかなりの増加することになり、サンプルの投票用紙パンフレットが増え、より長文で複雑な投票用紙パンフレットが作られ、より多数の投票用紙様式が生まれることになります。

AB 1436(条件付き有権者登録法)およびAB 146(DMV新規ドライバー投票者法)によって、有権者登録が増加し、投票所を訪れる人数が増えます。新規有権者の流入のために選挙管理の費用が上昇します。

さらに、VCA自体が当初の費用を負担するため、選挙費用を短期的に上昇させる可能性があります。投票センターのオープン時間は長く、通常の投票所係員よりも高い時給で郡の職員が配置されます。投票センターのスタッフは、投票センターの複雑さと技術的な要件を管理するために、追加の訓練を受けることも義務付けられています。その上、投票センターと郡の有権者登録データベースの間に複数の安全な接続を形成することによって、新規の装置、設定、テスト、サポートが必要となるため支出の増大を招きます。しかしながら、これらの費用は、自動投票機の数、労力、資本支出の大幅な減少によって、いずれ相殺されることが見込まれます。また将来の選挙は、新しい選挙モデルに対する有権者の理解が進み、支出がさらに低下するため、アウトリーチと有権者教育の必要性も減少することになります。

まとめ

カリフォルニア州有権者による選択法は、カリフォルニア州で実施される選挙の方法を根本的に変更する画期的な法律です。サンマテオ郡における2015年11月3日の全郵送投票統一地方選挙の成功経験は、VCAの「全郵送投票/投票センター選挙モデル」に基づく選挙の効果的な運営に独自の基盤を提供します。この新たな選挙実施方法を成功裏に実行することによって、サンマテオ郡の有権者および参加管轄区域に多数の恩恵と機会が提供されます。学区、自治体、特別区は、新たな「全郵送投票/投票センター選挙モデル」がもたらす効率性の向上と請求可能な費用の削減による利益を受け取ります。この新選挙モデルは、有権者の参加拡大にプラスの効果をもたらし、障害を持つ有権者のためのアクセシビリティを一層高め、選挙のシステムと技術を改善し、選挙基盤の安全性を強化します。

サンマテオ郡は、「カリフォルニア州投票者による選択法」の実施を成功させることによって、卓越性と革新性という郡の伝統の継続を目指します。

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